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※不定期更新です※2018年8月9日 本業多忙につき、更新は滞ることが多いです。 ◆最終更新日:2018年8月9日◆ →遺伝子シリーズに『Silent Spring(4)』をアップ ★★★拍手や拍手コメント、ありがとうございます!嬉しく拝見しております★★★ ◆更新履歴◆お知らせ一…

kakashiシリーズ

■Kakashi■ 1:朧月夜に見る夢は (2015年3月5日) 原作を一気読みして初めて書いたカカシの話。あまりに内容が浅いので、後日『案山子の見た夢、カカシの見る夢』に大幅加筆修正。勿体ない精神で保存。 2:Saury (2015年3月23日) 子カカシとサクモさん。…

遺伝子シリーズ

■遺伝子シリーズ■ 1:遺伝子の呪縛(2015年6月16日) 原作700+7話を見た衝撃で書いたもの。カカシはほぼ変わらないのに、なぜヤマトはああも老け込んでしまったのだろうかという考察。 2:Scar contracture(2015年8月6日) タイトルの意味は『瘢痕収縮』。…

ふたりのおはなし。

■テンゾウ×カカシ■ ★はR18作品 1:日々是テンカカ(一部内容に★あり) Twitterでの140ss。診断メーカーや、お題サイト『確かに恋だった』からお借りしたお題や、その時々に盛り上がった内容とか。 2015年9月30日から開始。 (1) (2) (3) (4) (5) …

Silent Spring (4)

(1) はじめまして、六代目様。 にっこりと邪気のない笑顔を浮かべた子どもは、丈の長い着物の両袖を口元にあて、ぺこりと折り目正しく頭を下げた。そのあどけない姿に、カカシはすぐに反応できなかった。 『――驚くなよ』 ここに至る道すがら、並走する綱手…

それをきっとひとは幸せと呼ぶのだろう。

その知らせを受け取ったのは、四季折々の里の姿を一幅の風景画のように見ることができる火影室の窓が、けぶるような雨の薄膜に霞むある日のこと。 肌に張り付くような粉糠雨が朝から音もなく降りしきり、家々から流れ出る夕餉の香りに里が包まれる時刻になっ…

Rebellion against genes

はじまりは、単純な動機。 手のひらにのせた真白の蛇の抜け殻。脱皮を終えてからさほど時間は経っていないのだろう。触れてみたそれは、まだしっとりとした感触をしていた。 抜け殻自体にもはや生は存在しないのに、そこに感じたのは確かな生命力。力強さ。 …

Heterogeneity

六月某日、任務終了後。 用事を済ませ、邪魔になるからと下忍待機所に置いていった私物を取りに来たサラダは、空っぽの部屋にひとり残っていたミツキを見つけた。 「ミツキ? あれ、ボルトは先に帰ったの?」 同じ班の所属とはいえ、常に一緒に行動しなけれ…

Sequencing -序―

はじまりは、単純な動機。 手のひらにのせた真白の蛇の抜け殻。脱皮を終えてからまださほど時間は経っていないのだろう。触れてみたそれは、しっとりとした感触をしていた。 抜け殻自体にもはや生は存在しないのに、そこに感じたのは確かな生命力。力強さ。 …

Verkündigung

それは、第四次忍界大戦が終結して数年経過したときのこと。 「――綱手、アナタ、子どもを産んでみない?」 それまで交わしていた世間話のような流れでするりと言われた、けれどまったく予想だにしないその言葉に、綱手は口に含んでいたお茶を盛大に噴きだし…

peractorum

無意識に、首に触れていることがある。 正確には、印が刻まれていた、あの場所を。 探るように触れた指先は、なにも伝えてくれやしない。 深い痛みも、疼くような熱も、今はなにも感じない。 そこにはただ、冷たさを感じるだけ。 peractorum 印だけを残され…

うつろわざるものからうつろうものへ。

今日が、うずまきナルトと日向ヒナタの結婚式だという。 このふたりの距離があの大戦を経てより近しいものとなっていったことは、ゴシップ好きの部下が命じてもいないのに口やかましく話し立てるので知り得ていたし、九尾を身に宿した青年と白眼の姫という優…

Co-dependency Epilogue

(……ん……) かすかな音を耳に拾って、カカシの意識が浮上した。重い瞼を開いてぼんやりと見えてくる光景で、自分が横を向いて寝ていることを認識する。瞬きをする度にクリアになっていく視界に入り込む、ひとつの影。それをどこか夢現な状態で見やり、無意識…

案山子が見た夢、カカシの見る夢

だから、オレは案山子(カカシ)になるよ。 この、木ノ葉の里という、かけがえのない地を見守り育む、案山子にね。 そして、新しい風を待ちながら、 やがて訪れる豊穣の時を、 夢見てる――――。 【案山子が見た夢、カカシの見る夢 完】

案山子が見た夢、カカシの見る夢

――後世の歴史家は、火の国木ノ葉隠れの里の歴代火影について、 次のように記している。 初代柱間は創世を、 二代目扉間は秩序をもたらし、 三代目ヒルゼンは安寧を築いた。 四代目ミナトは激動の時代における希望を生み出し、 五代目綱手は過去と未来を繋い…

キミが生まれた日。

キミが生まれた日。 今朝方、目覚めてまず顔を洗うために洗面所に行く道すがら。 任務のため妻よりも先に起きた夫が消し忘れたのだろう、消音に近い状態でつけっぱなしになっていたリビングのテレビを、欠伸をしつつ、通りしなに何気なく見た。 それはちょう…

ボクが生まれた日。

――誕生日は、好きな日にしていいよ。 非道な人体実験を行っていた施設からからくも逃げ出したひとりの子どもが里に救出されて、数か月が過ぎた。 うだるような熱気が視界を揺らめかす夏がやっと通り過ぎ、夏の間中容赦なく降りそそいだ陽光のすべてを受け止…

日々是テンカカ そのろく。

※今回ボリューム少なめです※ ■そういえば寝顔を見たことがないな。それに気付いた俺はその夜の執拗な攻めを何とか耐え抜いて、アイツが寝落ちるのを待った。腕の力が抜けた頃を見計らい、そっと顔を見やる。そして、思わずその胸に顔を埋めた。耳先まで熱く…

【Silent Spring覚書】神樹と十尾とチャクラとカグヤ

■はじめに■ 小説の題材として『チャクラ』というものを取り扱うにあたり、改めて、チャクラとは神樹とは何ぞやと考えはじめたら、幻術の無限ループに陥ったので、一度まとめてみようと思いました。ですが、原作を読み返してみても、神樹・十尾・(外道魔像)…

A Cruel God Reigns

「……来たか」 複雑に構築した結界の揺らぎを感じ取り、彼は静かに立ち上がった。 ――これで、六度目。 望む結果は未だ得られていないが、回を重ねるごとに確かな手応えがある。 『子どものアナタは私の言うことだけ聞いていればいいの』 始まりの合図はこの言…

reflection

実験の手伝いを命じられた時、正直何で自分が、と思った。適任は他にいるだろうと。 おそらく、それがそのまま顔に出ていたのだろう。今でも逆らえぬ上司のような立ち位置にいるその人物は、「香燐はサクラと仲が良いみたいだから、口を滑らされても困るしね…

Co-dependency(17)~(20)

17 二人の影が重なり合ったのは、ほんの数秒。カカシはぱっとテンゾウから離れると、口布を引き上げる。普通に伝えれば良いものを、なぜこんな形で伝えてしまったのか。 テンゾウの姿を見ていたら自然と身体が動いていたのだ。カカシを真っ直ぐに見つめてく…

Co-dependency(14)~(16)

14 ――ひたり、と足元に押し寄せる波があった。 周囲の闇は、その領域に踏み込んだカカシを拒絶するような重苦しい圧迫感で迫ってくる。 カカシの胸元で輝く花は、贈り手(リン)のように優しく、決して消えることのない確かな輝きで、カカシを飲み込もうと迫り…

自家通販について

※お申し込みの前にご一読下さい※ 私自身、他の方の作品のみならず自作品であっても、気に入った作品はたとえwebなどで完全公開されているものであっても紙媒体として手元に置きたい派です。また、諸事情あって同人誌を購入出来ないという方もいらっしゃるか…

SCC新刊本文紹介

■案山子が見た夢、カカシの見る夢■ ※表紙の家紋と裏表紙の木ノ葉マークは箔押し加工です※ ❖シーン①❖ ――やがて、あの強く誇らしかった父が、任務遂行よりも仲間の命を優先したことで周囲から誹謗中傷を浴びるようになってからは、カカシはさらに深くふかく心…

Co-dependency(13)~(15)

13 ――真っ直ぐ、下に向けて落ちていく感覚だった。 そこは一面に広がる闇の世界だったが、テンゾウに繋がる場所だと思うと不思議と恐ろしさは感じなかった。カカシの胸にはリンからもらった光の花がぽう、と輝き、カカシの行く手を淡く照らし出していた。 ど…

Co-dependency(10)~(12)

10 アレレ?と幼いテンゾウの姿を模したそれは、小首を傾げた。 緑の触手に絡めとられ、辺り一帯に満ちた毒の香りで意識を失ったカカシから、何やらひどく懐かしくて親しんだ気配がする。 わくわくした心持ちを感じながらふわりとカカシに近付いて、さらにそ…

Co-dependency(7)~(9)

7 ――それでも、オビトもそのことには気付いていたのだ。 己を縛るすべての柵から解放され、有限の身を離れたオビトは、果て無く続くと思われる平地をリンと共に歩いていたが、やがてその足を止めた。 ――足が、重い。 (…………) 「オビト?」 オビトの手を取り…

Co-dependency(4)~(6)

4 暗闇に沈む石畳の通路を、銀色の風が音もなく疾走していく。そのすぐ隣を四本足の小さな影が並走していた。 通路を照らす灯火などは全くなかったので、カカシは光量をぎりぎりまで絞った携帯用ライトを右手に掲げている。あまりに明るくして見晴しをよくし…

設定&考察

■Original setting & consideration of Tenzou■ 2016/03/17 ※年齢に関しては大体この程度、な感じです。時系列などは他のナルトファンの方々の作られた詳細年表を参考にしているところもあります(データ系の『~の書』関連は読んでいないので)。矛盾点を見…