六月某日、任務終了後。 用事を済ませ、邪魔になるからと下忍待機所に置いていった私物を取りに来たサラダは、空っぽの部屋にひとり残っていたミツキを見つけた。 「ミツキ？ あれ、ボルトは先に帰ったの？」 同じ班の所属とはいえ、常に一緒に行動しなけれ…

はじまりは、単純な動機。 手のひらにのせた真白の蛇の抜け殻。脱皮を終えてからまださほど時間は経っていないのだろう。触れてみたそれは、しっとりとした感触をしていた。 抜け殻自体にもはや生は存在しないのに、そこに感じたのは確かな生命力。力強さ。 …

それは、第四次忍界大戦が終結して数年経過したときのこと。 「――綱手、アナタ、子どもを産んでみない？」 それまで交わしていた世間話のような流れでするりと言われた、けれどまったく予想だにしないその言葉に、綱手は口に含んでいたお茶を盛大に噴きだし…